原価と売上 総利益
2つの原価の違い
原価には売上原価と理論原価の2種類があり計算方法もそれぞれ異なります。
前者は棚卸し額と期間内の仕入総額によって算出される実際に使用した原価になります。
略して原価と呼ばれることが多いですが会計上では売上原価という名称になります。
後者は商品単品ごとの原価計算と各商品の販売出数の累計から算出された理論上の原価になります。
また理論原価は標準原価とも呼ばれます。
売上原価
売上高から売上原価を引いたものが売上総利益というものになります
この売上総利益は粗利益とも呼ばれます。
ただし粗利益とは会計上の言葉ではないので注意してください。
まず売上原価は期首棚卸高に期中仕入総額を加え期末棚卸高を差し引いた金額になります。
また売上高に占める売上原価の割合は売上原価率と呼ばれます。
また棚卸とはある一定期間の在庫量を把握する事で棚卸しによって在庫金額が算出されます。
棚卸は通常、月末に実施することが多いのでここでは月末の棚卸として進めます。
・期首棚卸高とは、前月末の店にある在庫の総額になります。
・期中仕入総額は当月末までに納品した仕入総額になります。
基本的に納品時の伝票の合計、もしくは月末の請求書の総額と考えてください。
・期末棚卸高は当月末に実施した棚卸による在庫の総額になります。
また期末棚卸高は翌月の期首棚卸高になります。(下図参照)
理論原価
食材の伝票等をもとに全商品を商品ごとに食材分解し原価計算したものになります。
また、理論原価を売上高で割ったものが理論原価率というものになります。
算出には使用食材の使用量、規格、仕入れ価格、可食部位重量もしくは歩留り率が必要になります。
歩留り率については別のコラムで説明しますが加工過程における使用原材料の総量に対する割合のことになります。