投資回収率

投資回収率とは?
投資回収率とは、投下した資本に対して得られた利益の割合のことになります。
英語表記でのROI(Return on Investment)の頭文字をとって「アール・オー・アイ」とも呼ばれます。
算出式は「当期純利益 ÷ 総投資額× 100%」になります。

この数値が高ければ高いほど効率的な投資ができていることになります。
総投資額には借入金や資本金などを含んだ金額になります。

短期で回収が理想
飲食業に限らず新たにビジネスを始める際には開業資金や運転資金が必要になります。
特に実店舗型ビジネスのほとんどが小規模でも数百万円以上の資金が必要になります。
自己資金で開業できない場合、不足分を金融機関から借入れします。
その際、金融機関には必ず事業計画書等の書類を提出します。
その事業計画書の中で融資担当者が注意して見ているのが「開業にかかった費用を何年で回収できるのか」という投資回収の部分になります。
開業時に投下した資金は、その事業から得た利益内から返済していきます。
それが現実的な利益額かどうか、また、無理がない期間かどうか設定する必要があります。
借りる側はできるだけ短期で投資資金を回収し返済期間を短縮することが理想です。
しかし、同じ事業規模で同じ借入額でも実際に「どれだけ利益が出てどれだけ返済したのか」によって返済期間は異なりますので注意が必要です。
検証
ここでA社とB社を例につかい使い検証してみましょう。
A社とB社の総投資額は同じ2,000万円です。
A社の売上高は1,000万円、当期純利益はA社の100万円です
一方、B社の売上高は3,000万円、当期純利益は2倍の200万円とします。

それでは両社の投資回収率を算出しましょう。
A社の投資回収率は「100万円 ÷ 2,000万円 × 100% = 5.0%」になります。
一方、B社の投資回収率は「200万円 ÷ 2,000万円 × 100% = 10.0%」になります。

A社もB社も同じ総投資額です。
しかしA社は1年間で総投資額の5.0%しか回収できないのに対し、B社は1年間で総投資額の10.0%を回収することになります。
つまりA社よりB社の方が効率的な投資回収率であるということになります。